「野村外国株式インデF野村DC」=MSCI-KOKUSAIとS&P500,NYダウの比較


しばらく前まで、私がやっている「野村外国株式インデF野村DC」はNYダウに追従していると勘違いしていました。


しかし、NYダウが大幅に下がった時に、野村外国株式インデF野村DCはさほど下がらず、1日過ぎると下がることがあったので、1日遅れで追従するのかと思いましたが、どうも上がり下がりが微妙に違うので、調べてみて分かりました。


NYダウは米国主要30銘柄であるのに対して、野村外国株式インデF野村DCは外国株式MSCI-KOKUSAIインデックスをマザーファンドとして米国をメインとする先進国の1,318銘柄を組み込んでいるため値動きが異なってくるのでした。

とはいうものの、MSCI-KOKUSAIインデックスは、国別構成比では米国が66%と圧倒的に多いため、米国株の増減に合わせて同様の動きをします。

組み込まれている銘柄から、MSCI-KOKUSAIインデックスは、NYダウよりもむしろS&P500(Standard & Poor's 500 Stock Index)に近いと言われます。


MSCI-KOKUSAIインデックスとS&P500の比較

投資の神様と言われている、ウォーレン・バフェットは自分の死後に備えて、妻に「資金の90%をS&P500に投資せよ」という言葉を残しています。

このようにS&P500は投資の神様が絶賛する投資指数です。

S&P500は指数の名称は500ですが、構成銘柄は米国のみの代表的な株価指数で、505もあります。

また、時価総額加重平均型株価指数ですので日本のTOPIX(東証株価指数)と同じです。

MSCI-KOKUSAIインデックスとS&P500の構成上位10銘柄を比較すると、MSCI-KOKUSAIインデックスは、上位はほぼ米国で1~9位は米国、10位のネスレがスイスとなっています。

上位銘柄についてS&P500と比較すると、Berkshire Hathawayが含まれておらず、スイスのネスレが含まれている点が異なっています。

逆に言うと、それだけMSCI-KOKUSAIインデックスとS&P500の構成銘柄は似ています。

S&P500とMSCIコクサイの値動きは非常に似ています。

少しずつ少しずつ差は開いて、S&P500の方が良い結果となっています。

各1年でとらえると、1年スパンでも違いが見えてきます。





ほぼ同じ基準価格に収斂している年もあれば、差がひろがりつつある年もあります。

パフォーマンス比較を見ると、S&P500の方が、わずかですがリスクが小さくリターンは高めです。

米国株が他の先進国よりも上がったため、このようにS&P500の方がMSCIコクサイよりも上がっています。

山と谷の大きさは微妙に違うためその差がパフォーマンスの差として広がっていくわけですが、ピークの立ち方が細部に至るまで非常によく似ています。

ということは、S&P500の先物取引を眺めていると、明日のMSCIコクサイも上がるか下がるかの予想ができるといえるのかもしれません。


S&P500とNYダウ

S&P500は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスにより算出され、ニューヨーク証券取引所(NYSE Arca、NYSE Amex)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。

対して、実はNYダウ平均の組み入れ銘柄は話し合いによって決定されます。

銘柄選定には定量的なスクリーニングのルールが存在しません。

NYダウは、株価平均委員会(Average Committee)のメンバーにより銘柄の見直しが行われており、主に企業の評判、成長の持続性、投資家の関心などを総合的に評価して決定されます。


S&P500の上位10銘柄は下記の通りです。

1.アップル
2.マイクロソフト
3.アマゾン
4.フェイスブック クラスA
5.アルファベット クラスA
6.アルファベット クラスC
7.バークシャー・ハサウェイ クラスB
8.ジョンソン&ジョンソン
9.プロクター&ギャンブル
10.ビザ


ダウ平均の上位10銘柄は下記の通りです。

1.ユナイテッドヘルス・グループ
2.ホーム・デポ
3.アムジェン
4.セールスフォース・ドットコム
5.マクドナルド
6.マイクロソフト
7.ゴールドマン・サックス・グループ
8.ビザ
9.ボーイング
10.ハネウェルインターナショナル

S&P500は、時価総額順に組入比率が決まるため、現在勢いのあるIT企業が上位を占めています。

ダウ平均は株価の平均により算出されるため、単純に一株当たりの価格が高い銘柄が組入比率上位となります。

上位10銘柄の合計が全体に占める割合は、S&P500が約3割なのに対し、ダウ平均は上位10銘柄が全体の約半分以上を占めています。

S&P500とNYダウ平均に、一部共通の組入銘柄はありますが、組入比率は異なります。

NYダウ平均の方が銘柄数が少ない分、組み入れられている個別銘柄、その中でも組入比率の高い上位10銘柄の株価の変動の影響を受けやすくなります。

組入上位の企業の業績が良い時はS&P500よりもパフォーマンスが良くなり、業績が悪ければS&Pをアンダーパフォームする(下回る)ことになります。

一方で、組入銘柄の多いS&P500は、分散効果が高いため、個別銘柄の影響を受けにくくなるという傾向があります。




S&P500とNYダウを1年のスパンで比較すると、S&P500の方が良いパフォーマンスとなっています。