バッテリーの劣化度を示すCCA値


CCA

CCAとは、コールドクランキングアンペアー(Cold Cranking Ampere)の略称で、そのバッテリーにエンジンを始動させる能力がどれだけあるかを示す性能基準値です。

これは摂氏-18℃の環境でバッテリーを定電流放電させて、30秒後のバッテリー電圧が7.2V以上を保つことができる、限界の放電電流値です。(JIS / SAE / BCI 規格の場合)


私の愛車マークⅡJZX100で使用しているパナソニック カオス 80B24LのCCA値を、車検見積もり時に計測してもらい、電圧=12.36V、CCA=326となったため、良好・注意・要交換の3段階のうち注意の判定となりました。

「お客様のバッテリーは劣化がすすんでいます。早めの交換をお勧めします。」と記載されたシート結果をもらいました。

今のところ、充電器で定期的に補充電をしているため、イグニッションキーをエンジンをかけることは可能です。

そもそも、マークⅡJZX100の新車時のバッテリーは46B24Lでした。

46B24LのJISでのCCA値は295ですから、要交換のレベルはCCA=295×0.7=206.5≒207でしかありませんから、弱ったとはいCCA=326であれば、エンジンがかかってしかるべきレベルです。

しかし、CCA=326ということは、80B24Lの劣化度を示していますから、腐食破損、活物質の離脱、サルフェーションは進行していることは確かです。


それでは、
パナソニック カオス 80B24Lがどの程度劣化しているのかを調べようとすると、残念ながら、パナソニックは基準CCA値を公開していません。

ネットを調べると、あるサイトではCCA=450~480となっていますが、別のサイトでは推定CCA値=650となっています。

仮に基準CCA値=450とすると、326/450=0.724となり、わずかに良好の範囲内になりますが、基準CCA値=480とすると326/480=0.679,基準CCA値=650とすると、326/650=0.502となります。

CCA値は、60%未満であれば交換がおすすめ、50%になってくると交換は必須となるようです。

私の車のバッテリーは、いずれのCCA基準値をとっても、70~50%前後なので、交換おすすめの状態にあるようです。

劣化判定は、基準CCA値が明確になっていないと、中々難しいです。

CCAテスターを購入して、新品時から数値を把握しないと劣化判定は容易ではありません。

排気量からみるCCA

エンジンは大きくなればなるほどクランキングさせるのに大きな力(電流Aアンペア)が必要になります。

バッテリー単体でCCAを測定して良否判定もいいのですが、その車両に対して必要なCCAもあるのでそれも合わせて参考にすると良いでしょう。

排気量別推奨CCA

660cc→CCA200

1000cc→CCA260

1500cc→CCA300

2000cc→CCA330

3000cc→CCA400

というようになっています。

2500㏄であれば、内挿で、CCA365というところでしょうか。

今回の測定値326/365=0.89となり、89%ですからまだ使えるとなります。

元々46B24Lであったバッテリーを80B24Lに乗せ換えたので、バッテリーとしては劣化しているのですが、余裕があるということでしょうか。

バッテリー電圧の正常値と交換目安

普通乗用車のエンジンを切った状態でのバッテリー電圧の正常値は 12.5~13Vです。

エンジンをかけた状態でバッテリーの電圧を測ると、13~14V になります。

バッテリーの種類は「12V」となっていますが、実際の数値とは多少異なります。

そろそろ交換の時期の電圧は、12.0~12.3Vです。

バッテリー上りの危険(交換要)があるのは12.0V未満である時です。

バッテリーの使用年数や車の使用頻度によっても異なりますが、バッテリー電圧が 12.5V未満になった時は、すぐにバッテリー上りを起こすわけではないものの、そろそろ交換を考えた方がよい時期になります。

私のマークIIは、電圧=12.36Vでしたから、交換を検討した方が良いということになります。

バッテリー電圧が 12.0Vを下回ったら、エンジンがかからなくなる(バッテリー上り)可能性が高まりますので、バッテリーを交換した方が良いです。

バッテリーの寿命による内部の変化

バッテリーの寿命は一般的には約3年といわれていますが、走行距離などの使用状況やメンテナンスによっても大きく変わってきます。

寿命が近づいたバッテリーの内部では、次のようなことがおこっています。

1)腐食による+極板の劣化

2)+極の活物質の剥落

3)ルフェーション(硫酸鉛が過剰に生成されることにより、正常な還元反応が妨げられてしまう)

4)浸透短絡(セパレータに極板の鉛が浸透することが原因で、+極板と-極板が短絡してしまう)

バッテリーが寿命を迎えたとき外部に現れる現象

バッテリーの外観に破損がなくても、バッテリーが寿命を迎えていることは少なくありません。

見た目から推し量ることは難しいバッテリー寿命は、運転前や運転中のトラブルから推測することが可能です。

1)エンジンがかかりにくくなってきた

2)ライトの強弱(エンジンをかけたときライトが暗くなり、アクセルを踏んだときライトが明るくなる)

3)バッテリー液の減りが早い

4)その他、クラクションの音が弱い、パワーウィンドウの開閉がゆっくりになったなどの変化

これらの現象はバッテリー寿命のほかに、充電システムの不具合、カーナビやオーディオ機器など後付け機器による暗電力の消費、バッテリーの放電などの原因でも起こり得ます。

短絡的に「バッテリーをすぐ取り替えなければ」と思わずに、他の原因である可能性がないか検討します。

一般的なバッテリー寿命年数

一般的に言われているバッテリー寿命は 3~5年 ということになっています。

しかし、バッテリー寿命が短くなるケースもあります。

次のような場合は、バッテリー寿命を短くするので、注意が必要です。

1)車の使用頻度が少ない

2)近場のお買い物使用に限られる(ちょい乗り)

3)バッテリー上りを起こしたことがある

上記のような条件だと、バッテリー寿命が3年も持たないこともあります。