ラーメンの雑学

ほとんど国民食と言ってもよいほど、ラーメンは最もポピュラーな大衆料理です。

しかしその派生は非常に多く、映画にも取り上げられるほど奥の深い料理の一つです。


ラーメン

ラーメンとは、中華麺とスープを主とし、様々な具(チャーシュー、メンマ、味付け玉子、刻み葱、海苔など)を組み合わせた麺料理です。

漢字表記は拉麺、老麺または柳麺です。

別名は中華そばおよび支那そば、南京そばで、「らーめん」、「らあめん」、「らぁめん」、「ら〜めん」、「らー麺」と平仮名で表記されることもあります。

中華人民共和国や中華民国(台湾)では日式拉麺(日式拉麵/日式拉面)または日本拉麺(日本拉麵/日本拉面)と呼ばれます。

欧米を中心に英語などラテン文字表記では、Ramen、Chinese noodles。

日本では、幕末〜明治時代に開国された港に出現した中華街(南京街)に中華料理店が開店し、大正時代頃から各地に広まっていきました。

20世紀後半からはインスタントラーメンが世界各国に拡がり、21世紀からは日本の大手ラーメンチェーンが世界各国に店舗を展開しています。


歴史

ラーメンは江戸時代末に開港した横浜、神戸、長崎、函館に多くの外国人が移り住んだことをきっかけとして日本に流入した、中国の麺料理がルーツであるとしています。

日本で最初に中華麺を食べたのは徳川光圀(水戸黄門)であるとする説があります。

1659年(万治2年)に明から亡命した儒学者の朱舜水が水戸藩に招かれた際に、所持品リストに中華麺を作る際に使うものが含まれるから、中国の汁麺を献上したとの記録はないものの、実際に作ったに違いないとされています。

1697年(元禄10年)には、光圀の隠居所である西山荘を訪れた僧や家臣らに中華麺がふるまわれたとの記録もあります。

日本への伝播としては、明治時代を迎え神戸や横浜などの港町に中華街が誕生し、そこで提供された南京そばに始まるとされています。

1884年(明治17年)に函館新聞(当時)に函館の船場町にある中華料理店養和軒が南京そばを15銭で提供を始める広告を出し、大正の頃まで提供したとされています。

1910年(明治43年)、東京府東京市浅草区に初めて日本人経営者尾崎貫一が横浜中華街から招いた中国人料理人12名を雇って日本人向けの中華料理店「来々軒」を開店し、大人気となりました。

約100年の歴史の中で、様々なアレンジが加えられていき、中国やベトナムなどのアジアの麺料理とは異質な、日本独特の麺料理に発展・変化しています。

安藤百福が発明した即席麺やカップ麺は、日本から輸出されたり、世界各地で現地生産されています。

長年にわたり、庶民の味として親しまれてきたラーメンは、1996年に中華そば青葉が、魚介系と動物系の出汁を合わせるWスープのラーメンを打ち出したのをきっかけに、スープ料理としてのラーメンの価値が見直され、創作ラーメンブームにつながりました。

ラーメンのあらゆる要素について新しい試みを行う料理人と店が次々と現れ、ラーメンは日本料理において最も変化が激しく、多様化された料理形態となっています。

ラーメンの種類にもよりますが、伝統的な醤油ラーメンで1食あたりの塩分・炭水化物・脂質が十分であるため、21世紀以降増えてきた味が濃いラーメンについては毎食のように食べると栄養過多に陥る危険性が高く、生活習慣病に罹患する危険性も高くなります。

ラーメンを多食する業界人が早世する事例も知られています。

伝統的なラーメンの器には雷文が描かれることが多いです。


種類

麺と同等以上に重要視されているのが汁(スープ)で様々な種類があります。

また、麺以外に様々な具材を麺の上に並べて(トッピング)して食されることが定番であり、トッピングの具材の種類は非常に多いです。

各ラーメンは、「ご当地ラーメン」のブームもあり、日本の地方独特の食材が入り、地方の好みの特徴があるなど、地方差が大きいです。

各地方で地物や好みに合わせて発展した料理でもあり、似通ったラーメンも地域名や特産物を冠としたものや商標登録されたラーメンもあるなど、種類は多いです。


醤油ラーメン(しょうゆラーメン)





醤油ラーメン(しょうゆラーメン)とは、スープに醤油タレを使用したラーメンです。

「中華そば」「正油ラーメン」と表現される場合もあります。

1910年(明治43年)に浅草の『來々軒』で出された東京ラーメンが初出であり、ラーメンの原型です。

日本におけるラーメンの中で、塩ラーメンと同じく醤油ラーメンが長い歴史を持ちます。

単に「ラーメン」と言った場合、この醤油ラーメンを指す事があります。

合わせる出汁によって澄んだ色のすっきりした味わいのスープから濁りのある濃厚なものまで幅広いタイプに分かれます。

魚介系の出汁や、醤油を味醂などと合わせて煮る事もあり、地域性を反映しています。


塩ラーメン




塩ラーメン(しおらーめん)とは、ダシを塩タレで調味したスープに、茹でた中華麺を入れたラーメンです。

スープは、鶏がらや豚骨を使用した出汁を塩ダレで調味したものであり、豚骨ラーメンのダシ(スープ)のように強く煮出す事が無いために混濁していません。

醤油ダレよりもさらに出汁の特徴が現れやすいが、タレ自身の味わいが他のものよりもあっさりしています。


味噌ラーメン


味噌ラーメン(みそラーメン)は、タレ(かえし)に味噌を使用したラーメンです。

北海道札幌市を発祥とする味噌ラーメンの知名度が高いですが、それ以外の地域発祥の味噌ラーメンも存在します。

札幌の味噌ラーメンは、札幌市内の大衆食堂『 味の三平 』店主の 大宮守人 によって1955年に考案されました 。



豚骨ラーメン


豚骨ラーメンは豚骨スープをメインとしたラーメンであり、 醤油 のタレを入れることも多いです。

博多の豚骨ラーメンは全国的にも有名です。

味付けや色合いは店によって千差万別ですが、基本的には豚骨主体の乳白色のスープと極細麺が特徴です。

豚骨を強火で沸騰させるため、骨のコラーゲンなどが溶け出し濁ったスープになります。


日本国外のラーメン

日本国外では「インスタントラーメン」が「ラーメン」であると認識している所が多く、本来のラーメンが存在する国は少ないです。

アジア

中国の麺料理には、麺棒で薄く延ばし、畳んだ生地を、包丁で細く切った「切麺」、小麦粉の塊を刀で削る「刀削麺」や、湯麺・涼麺・炒麺などがあります。

中国では、日本食としてのラーメンの中ではトンコツラーメンの人気が高く、熊本の味千ラーメンのフランチャイジーが400店近くを中国国内に展開しており、日本の外食チェーン店としては最も多いです。

タイでは首都のバンコクを中心に、8番らーめんや味千ラーメン、山小屋ラーメン、ばんからラーメンなど、日本の多店舗型ラーメン店の進出が目立ちます。

中国で日本食としてのラーメンはトンコツラーメンが支持され、その他の支持は薄いです。

その理由として、現地の麺類との明確な差別化ができていないこと、海産物から取るダシの味が苦手な中国人が少なからずいることなどがあげられます

また2015年7月下旬、南インド・チェンナイでは、インド初の本格日本式ラーメン店「秋平-AKI BAY-」がオープンし、日本人駐在員や現地のインド人に親しまれています。

完全ハラルフードで、様々な宗教に対応し、今後、中東地区などへの進出も期待されています。

米州・ヨーロッパ

日本出身のチェーン店はアメリカ合衆国やカナダに味千ラーメンやらーめん山頭火、藤一番が進出しています。

また、天下一品がハワイのホノルルに支店を出しています。

ヨーロッパ出身のチェーン店には英国在住の華僑が開いた「ワガママ」があります。