自由に走り、登り、踊ることを可能にする新たなバイオニクス義肢

TED(テド、テッド、Technology Entertainment Design)は、米国に本部があり、 カナダのバンクーバーで、毎年「TED Conference」(テド・カンファレンス)を開催している非営利団体です。

カンファレンスは、1984年に身内のサロン的集まりとして始まり、2006年から講演会の内容をインターネット上で無料で動画配信するようになり、その名が広く知られるようになりました。

ハイテク系の話題の多いタイプのカンファレンスとして、様々な分野の人物がプレゼンテーションを行なうというスタイルで行われます。

日本ではまず見られない米国らしい、自由と知性とチャンスに溢れた闊達とした学術的プレゼンテーションです。

そのTEDで、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)のヒュー・ハー(Hugh Herr)博士が開発した次世代のバイオニック義肢について、自らプレゼンテーションしています。


ヒュー・ハー博士は、自然にあるデザインをヒントに作られたロボティクスを駆使した義肢を作っています。

ヒュー・ハー博士自身、30年前の10代の頃に、両足を登山中の事故により失いました。

彼は、現在MITメディアラボのバイオメカトロニクスグループを率いています。

ヒュー・ハー博士は、TEDのプレゼンテーションの中で、彼自身の個人的な経緯も含めて、非常に専門的な内容や、驚くべきテクノロジーを紹介しています。

彼の開発した義肢は下肢の状態を常時マイクロプロセッサで検知するセンサーを組み込み、それを膝にあるコントローラでコンピュータ制御し自分の脚に違和感なく装着できるというものです。

残された下肢先端の皮膚から出る微弱な電気信号をセンサーが感知し、それをリアルタイムにモニターし適切なプログラムで義肢を動作させることで、まるで自分の脚のように義肢を動かすことが可能となっています。

TEDの最後に、博士は美しい話として、社交ダンサー・エイドリアン・ハスレット=デービスさんを紹介します。

彼女は、2013年のボストンマラソン爆破事件で左脚を失っていました。

彼女が博士の開発した義肢を付けて、見事なダンスを披露する映像はとても感動的です。

後述で、博士の開発したバイオニック義肢は、2013年12月時点の公表(Boston Magazine) によると、価格は約5万ドルとされています。

未だ米国でも保険が適用されていないので、この義肢を直ぐにでも必要とする人たちが手を出せないのが実態です。

動画の中でも教授が述べておられるように、これからの課題は、保険への適用を実現する働きかけです。

次の2年〜5年で消費者の手に届くようにプロジェクトが進んでいます。