WRCは未舗装路のグラベル、アスファルト舗装路のターマック、積雪路のスノーや凍結路等々、あらゆる路のカーブをドリフトを繰り返しながら走破する

世界ラリー選手権(せかいラリーせんしゅけん、FIA World Rally Championship、ワールドラリーチャンピオンシップ、通称:WRC(ダブリュアールシー))は、国際自動車連盟 (FIA) が主催するラリー競技の世界選手権です。

ヨーロッパを中心としてアフリカ・中南米・アジア・オセアニアなどの地域でも開催されています。

1973年、それまで世界各地で単独に開催されていたラリーイベントをFIAの下に一本化し、ラリー競技の最高峰の世界選手権としてスタートしました。

FIAが主催する自動車競技の世界選手権の中ではF1世界選手権(1950年創設)の次に長い歴史を持ちます。

選手権は元々はマニュファクチャラー部門(自動車メーカー)のみが争われたが、後にドライバー部門とコ・ドライバー部門の選手権も争われるようになりました。

ラリーの種類は、公道や競技場などに設けられたコース=スペシャルステージ(SS) でタイムアタックを行い、各SSタイムの合計で順位を決める「スペシャルステージラリー」です。

SSとSSの間の移動は「リエゾン」または「ロードセクション」と呼ばれ、一般車に混じり現地の交通法規に従って走行します。

競技車両は一定数生産された市販車をベースとして、公認範囲内で改造を加えたラリーカーです。

性能別に数段階にグループ分けされていますが、選手権タイトルを賭けた最高峰クラスは、マニュファクチャラーの直営組織(ワークスチーム)が開発した現在ではワールドラリーカー(WRカー)で競われます。

競技車両は市販車両をベースに製作することと規定されているため外観はベースモデルと大差無いですが、特に最上位のWRCクラスが使用するWRカーは、エンジンや各パーツ、駆動方式の変更など、内部は大部分が別物となっています。

サーキットで行われる周回競技と異なり、一般道路や林道などを一時的に閉鎖して行われるため、設営された観客席は少ないです。

観客はコースを間近で見られることもあり、熱心なファンは足繁く観戦ポイントに出向きます。

しかし、車両がコースオフし客席に飛び込む恐れもあるために観戦には危険も伴い、過去には死亡・負傷事故も起こっています。(特に1980年代のグループB規定時代は、ドライバー、観客の死亡事故が多発した)

各々の国で開催される競技をイベントと呼びます。

年間のイベント数は1990年代中頃まで8 - 10戦程度でしたが、増加を望むFIAの意向により各ラリーの開催日数・走行距離の短縮やサービス (車両整備) 回数の制限等、イベントの簡素化が進められたことに対応するようにイベント数が徐々に増やされてきました。

2007年には全16戦、2008年は全15戦となっていましたが、2009年と2010年は2年間で24戦を隔年で開催するという年間12戦のローテーション制となり、2011年からは全13戦となっています。

過去にイベントの開催された国は日本も含めて31か国あります。

イベントで使用されるコースの路面環境は様々だが、大きな分類では未舗装路のグラベルとアスファルト舗装路のターマックの2種類で、積雪路のスノーや凍結路のアイスは、土台となる基礎路面で分類されます。

ターマックとグラベルが混在するミックスサーフェイスのイベントも有ります。

タイヤは2021年現在、全クラスでピレリとなっています。

競技は、3日間または4日間で行われ、アイテナリーと呼ばれるタイムスケジュール表に沿って進められます。

通常のスタート間隔は2分ですが、グラベルで無風状態になると前車走行後の土煙が2分以内に収まらず、後にスタートしたマシンが視界を遮られて影響を受けるため、その場合は間隔を1分延長し、状況次第では更に1分延長される事も有ります。

このためサーキットレースとは異なり、トラブルで減速・停車した場合を除きコース上での抜きつ抜かれつはほぼ生じません。

イベントが開催される週の水曜日の夕方から木曜日に掛けてはシェイクダウンと呼ばれる、実際に競技車両を使用して最終チェックを行った後、車検を受けて規定外のパーツの装着が無いか確認が取れると、競技車両はパルクフェルメと呼ばれる車両保管所に置かれ、ドライバーを含め全ての関係者は競技開始まで触れることが出来ないようになっています。

WRCには、古くからホンダを除く主要日本メーカーのほとんどが参戦し活躍を見せました。

トヨタはWRCの始まる前からラリー参戦を始めており、もともとドイツのプライベーター(後のTTE、TMG)を支援する形でWRC初年度から欧州イベントを中心に参戦していました。

トヨタは、過去何度かマニュファクチャラーズタイトルを獲得していますが、2021年には再びマニュファクチャラーズタイトルを獲得しました。

現在、トヨタは下位クラスを含めて唯一WRCにワークス参戦している日本メーカーです。