「プリンタ内部の部品調整が必要です」と表示された時 の原因と対処法


我が家の古いプリンターのエプソンPM-A850で、印刷しようとしたら、突然エラーメッセージが出ました。

「プリンタ内部の部品調整が必要です。お買い上げの販売店、またはエプソンの修理窓口にご連絡ください」と表示されていました。


原因

「プリンタ内部の部品調整が必要です。」等のエラーが表示された場合、廃インクタンクの吸収パッドの吸収量が限界に達しているためです。

インクジェットプリンタでは、インクを噴き出すノズルの詰まりが必ず起こります。

それを防ぐためにインクをヘッドから吸い出して、ノズルをクリーニングしています。

吸い出された廃インクは、プリンタの底部にある廃インク吸収材に吸収させています。

クリーニングに消費したインク量がカウントされ、そのカウンタが設定された値に達すると「内部調整エラー」(動作不可)となります。


対処

プリンターによっては自身で廃インクタンク(メンテナンスボックス)の交換を行う事で解決できるようです。

この方法は、比較的新しい機種の場合あるようですが、エプソンの古い機種には見当たりません。

廃インクタンク(メンテナンスボックス)が交換できないプリンターの場合、メーカーではインクタンクの小売はしていないので、互換性のあるメンテナンスタンクなどで対応することもできるようです。

また、廃インクタンクが満タンの場合、プリンターの寿命でもあるので、新しいプリンターへの買い替え時でもあると、メーカー或いは販売店からは勧められることが多いです。


裏技

「内部の部品調整が必要です。」等のエラー表示は、印刷・ヘッドクリーニング時に排出されたインクを吸収する廃インクタンクのスポンジが、満タンになっているというメッセージです。

プリンター起動時にも自動的にヘッドクリーニングはされているので、長く使っていると廃インクタンク(メンテナンスボックス)の中にインクがどんどん溜まっていきます。

「どうしてもまだ使い続けたい」という場合、裏ワザとしてプリンターの廃インクタンク検知機能をリセットし、使用し続ける事も可能です。


リセット方法

電源OFFの状態から“電源ボタン+カラー(もしくはモノクロ)ボタン+ストップボタンの同時長押し”など(※プリンター機種によってやり方は多少異なる場合があります)

我が家のエプソンPM-A850の場合は以下のようになります。

電源を切った状態から、「ストップ」「スタート」「電源」のボタンを5秒程度押したままにします。

「スタート」は「モノクロ」「カラー」のコピーボタンで「どちらか一方のみ」でOKです。

LCDディスプレイに[ Clear waste ink counter FINISHED TURN OFF PRINTER POWER ]の文字が表示されれば完了です。

実際にこの方法で、我が家のプリンターもリセットすることができましたが、ディスプレイの表示は異なっていました。

機種が変わっても大体同じようですが、この方法はプリンターによってできるものとできないものがある上、使い続けるとプリンターからインクが漏れてくる危険性があるので、行う場合は自己責任です。

尚、SSC Service Utilityというロシアのソフトを使用してもリセットは可能なようですが、上の方法で可能ならば、PCの操作も不要なのでこちらの方が簡単です。

またEPSONによる廃インク吸収パッドのみの交換は4,400円(参考価格)で行えます。
(修理対象機種・料金一覧はこちら

残念ながら我が家のプリンターは古すぎて修理対応機種の一覧にはありませんでした。


インクタンク吸収パッドの交換又は掃除

リセットしたプリンターは、インクタンク吸収パッドの交換又は掃除を行わないと、インクが溢れて外に出てしまうリスクがあります。

インクタンクは、大概プリンターの一番底面にあるので、上にあるスキャナーや印字ヘッド、電源部、制御基板などを外さないと到達できない場合があります。

多くのネジやユニットを外し、総ばらしに近い作業になるのでかなり根気を要します。

しかしその覚悟さえあれば、時間をかけて作業をすることにより、インクタンク吸収パッドの交換又は掃除をすることは可能です。

(参考)吸収パッド洗って再使用事例
もったいないし貧乏なので、自分で修復してみました。

新しい機種であれば、サードパーティ製の代用品をネットで購入することもできますが、古いプリンターですとそのようなものが手に入らないことがほとんどです。

そのような場合、吸収パッドは、大量の水で洗って乾かし再利用する場合もあれば、新たにネットやホームセンターで、スポンジや汎用吸収パッドを購入してカットして代用することも可能です。

ネットで紹介されているDIYでの交換では、脱脂綿やキッチンペーパーを重ねて代用している事例もあります。

下の動画では我が家で使っているエプソンPM-A850を分解・組立していますが、プリンターの構造がよく分かります。

インクジェットプリンターの構造は、特別の機能が無ければ、大体似たり寄ったりではないかと思います。