冷蔵庫の年間の消費電力量
新しく冷蔵庫を購入する際に最も気になるのは、使い勝手以外の仕様上の数値としては、1年間当たりの消費電力量ではないかと思います。
冷蔵庫が占める消費電力
世帯当たり年間消費量の機器別構成(2019年度)
冷蔵庫が家庭の電力消費に占める割合は、全体の14.3%にもなります。
その割合は電化製品の中でエアコンに次ぐ電気消費量です。
年間を通して常時使用される家電品のため、家庭の電力消費に占める割合が特に大きいことが分かります。
しかし、実際には、2016年以降(上記グラフの2015年以降)JIS規格の測定方法が変更になったため、後述する環境省が提供するネットソフト「しんきゅうさん」を使うと一桁異なる大きな効果が算出されます。
冷蔵庫のサイズと消費電力の関係
冷蔵庫を大きい冷蔵庫に買い換えると、消費電力が大きくなると思われがちですが、冷蔵庫をサイズアップして大きな冷蔵庫に買い替えると、消費電力はむしろ少なくなる傾向があります。以前はサーモスタットで動かすか停止するかの二択でしたが、現在ではより細かくインバータを自動で制御し、温度を一定に保つことができます。
扉の開閉や、冷蔵庫内の温度にあわせて、コンプレッサーの回転数を制御した運転ができるため、効率良く冷やすことができます。
扉の開閉が少ないとき、庫内の温度が一定に保たれているときに、自動的に消費電力を抑える機能もあります。また庫内の照明を消すなど、極力無駄な電力を使わないように運転するものもあります。
また、コストが高く性能の良い真空断熱材や発泡断熱材の採用によって、庫内の温度を保つ性能が高く消費電力が抑えられています。
特に真空断熱材の熱伝統率は低く、従来の素材の10分の1程度といわれています。この性能の良い断熱材により、容量の割りに外形寸法があまり大きくならないというメリットもあります。
年間消費電力を比較するネット公開ソフト
環境省が提供する省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」が便利です。新しく買い替える冷蔵庫について、定格内容量、メーカーを画面に沿って入力し、型式を表示される一覧から選択した後「比較する」をクリックすると、「年間消費電力量」「年間電気代」「年間CO2排出量」「年間CO2吸収量」等々、現在使用している冷蔵庫に比べて、どれだけ省エネになるのか比較することができます。
現在使用している冷蔵庫の型番が不明でも、購入年と定格内容量を入れるだけで、だいたいの消費電力量や電気代を表示してくれます。
1kWhあたりの電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)で計算されています。
2015年以前製造の冷凍冷蔵庫の場合、容積別の年間消費電力量の最大値および最小値が表示されます。冷蔵庫の場合、「年間消費電力量」のJIS規格の測定法が2016年に変更されています。(JIS C 9801-3:2015「家庭用電気冷蔵庫及び電気冷凍庫の特性及び試験方法」)
そのため、2016年以前の冷蔵庫の場合、庫内に貼られたラベルや取扱説明書、カタログに記載された数字を見るだけでは、正確な比較ができなくなっています。
「しんきゅうさん」での結果で表示される「年間消費電力」は、上段に容積別の年間消費電力量の最大値および最小値が表示され、下段の方の赤字で、この変更を加味した換算された数値が記載されています。
「しんきゅうさん」では、2016年以前に購入した製品も、最近購入する予定の冷蔵庫と簡単に比較できるようになっています。
しかし、季節や貯蔵品、開け閉めの回数によって、実際の一日の消費電力は変動するので、あくまでも目安ということになります。
因みに、我が家の場合、購入年2002年、三菱MR-YL38A、384L、年間消費電力量380kWh/年を、2023年カタログ記載上の最も年間消費電力量の少ない三菱MR‐B46J、451L、年間消費電力量250kWh/年へ買い替えるとした場合は、下のような結果となります。
購入年が、古すぎるためか、メーカー型番で入力すると、該当が見つからないと表示されるので、購入年と定格内容量だけの簡単入力で出力しています。
上段の年間消費電力量は390~480kWhとなっているので、実際の年間消費電力量380kWhの値に対して10kWh数値がずれています。
下限か上限が380kWhになるように、「しんきゅうさん」の入力で何度か試してみると、下記のようになりました。
上段の年間消費電力量300~380kWhが、下段の赤字で記載された年間消費電力量550~630kWhに換算されています。
右横の年間電気代は、17,050~19,530円となっていますので、その下の7,750円との差、19,530-7,750=11,780円が1年間のお得になる電気代になります。
1か月あたり982円ほど、電気代がお得になります。
出力された数値をよく見ると、上段の年間消費電力量に250kWhを足した値が下段の年間消費電力量の換算値になっているようです。
右横の年間電気代は、最下段の説明にある通り、31円/kWhとして計算した値になっています。