風呂の追い焚き配管の掃除方法

 風呂の追い焚き配管の掃除をしないと、汚れが溜まるという記事を目にして、にわかに気になり、掃除方法について調べてみました。


風呂の汚れ

追い焚き機能は、新しく熱いお湯を足して温めるタイプ(足し湯型)と、最初に浴槽にはったお湯を吸い込んで給湯器で温め、また浴槽に戻すタイプ(循環型)があります。

現在主流の循環型の場合は、前に入った人の垢やその他の汚れもお湯と一緒に配管内へ吸い込んでいるため、配管の中は少しずつ汚れが付着していきます。

主な原因は以下の汚れです。

1)皮脂汚れ

2)入浴剤・バスソルト

3)レジオネラ属菌などの様々な菌

体を洗ってからお湯に入っている場合でも、皮脂汚れは完全に防ぐことは難しいです。

また、追い焚き機能を使う際は、入浴剤の使用は控えた方が良いです。

給湯器メーカーによって異なりますが、「風呂釜を傷めない、影響が無い」と記載のある入浴剤は使用して良いと取扱説明書などに記載があります。

ただ、配管内の汚れを抑えたい場合は、問題ないと記載されていても、入浴剤の使用を控えた方が良いです。

もし入浴剤を入れている状態で追い焚き機能を使ってしまったときは、2つの対処法のうちどちらかを行うとよいです。

1.すぐに水を捨て、給湯器のクリーン機能を使う

2.新しくキレイなお湯を張り、追い焚き機能を使い循環させる

また、追い焚き配管に雑菌が繁殖してしまうと、以下のようなことが起こります。

1.お湯が白っぽく、におう

2.浴槽がざらつく、ヌメリ

3.茶色い汚れが浮く

汚れが蓄積した状態を放置すると、重度の肺炎や高熱などを引き起こす原因となるレジオネラ属菌という人体に悪影響を及ぼす菌が発生する可能性もあります。

厚生労働省のホームページでも、『循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24 時間風呂など)を備え付けている場合は、レジオネラ症を予防するため、浴槽内に汚れやバイオフィルム(生物膜。細菌で形成される「ぬめり」。)が生じないよう定期的に洗浄等を行うなど、取扱説明書に従って維持管理しましょう。汚れや「ぬめり」を落としてレジオネラ属菌が増殖しやすい環境をなくすことが大切です。』と注意喚起しています。


掃除方法

追い焚き機能を使った配管の掃除方法

用意するもの

1.スポンジやブラシ、ゴム手袋

2.過炭酸ナトリウム 200〜300g程度(※)、または市販の風呂釜用洗浄剤

※一般的な浴槽の半分、およそ100リットルのお湯の場合

過炭酸ナトリウムは、酸素系漂白剤として販売されています。

注意点として、過炭酸ナトリウムは皮脂を落とす効果があるので、手荒れしやすくなります。

過炭酸ナトリウムを使用するときは、必ずゴム手袋をして手荒れを防ぎます。

手順

①循環口のフィルターを外す


②循環口の上までお湯をはる


温度の設定は40℃が目安です。追い焚き機能を使うため、お湯を循環できる水位(循環口の上)までお湯を溜めます。

③過炭酸ナトリウムを溶かす





過炭酸ナトリウム200〜300gを循環口の付近から注ぎ入れ、お湯に溶かします。

④追い焚きをして過炭酸ナトリウムを配管内へ


追い焚きの温度設定を最高温度に設定して追い焚きを行い、過炭酸ナトリウムを配管内に行き渡らせます。

過炭酸ナトリウムは、高い温度で洗浄効果が高まるため、このときの温度設定がポイントです。

最近多いのは1つ穴タイプの風呂釜ですが、実は見た目が1ヵ所でも中には2本のパイプがあります。

パイプ2本の役割は、それぞれお湯を吸い込むもの、吐き出すものです。

追い焚き機能で過炭酸ナトリウムの溶けたお湯を循環させることで、どちらのパイプもキレイに掃除できます。

もしも過炭酸ナトリウムが溶けずに1ヵ所に固まっているようなら、洗面器などで混ぜます。

追い焚きをして熱いお湯になっているので、十分やけどに注意します。

⑤約1時間浸け置きする




追い焚きが終わったら、約1時間浸け置きして汚れを緩めて浮かせます。

しかし、しばらく掃除していないときなどは頑固な汚れになっているので6時間ほど必要な場合もあります。

このとき、洗面器や風呂用のイスなども浸けておくと、石鹸カス汚れがキレイに取れるので、一緒に浸け置きするのがオススメです。

また、お湯の温度が下がらないようにふたをしておくと効率よく汚れが取れるので掃除が楽になります。

⑥お湯を抜き、再度追い焚きをしてすすぐ


栓を抜いて、お湯をすべて流します。再度、循環口の上まで水をはり、追い焚きしてすすぎます。

これがすすぎになるので2〜3回ほど繰り返し、しっかり流すと安心です。

配管もお湯を溜めて流すなどして薬剤が残らないようにしておきます。

そうでないと、お風呂のときに汚れと過炭酸ナトリウム入りのお湯に入ることになります。

過炭酸ナトリウムは皮脂を落とす成分があるので皮膚トラブルを招く恐れがあります。

しっかり浴槽、配管のすすぎをする必要があります。

⑦浴槽やフィルターを洗ってから拭き


洗浄で出てきた汚れがお湯の境目に付いているので、スポンジで擦り、フィルターもブラシなどで洗って、最後にから拭きして完了です。


掃除の頻度

1つ穴(強制循環式)の場合には水流が速いこともあり、汚れがたまりにくい構造になっています。

2~3か月に一度、汚れがひどいときは1か月に一度行います。

目安としては2カ月に1度が理想的です。

2つ穴(自然循環式)の場合にはゆっくりとした水流なので、汚れがたまりやすいで傾向があります。

目安としては1カ月に1度が理想的です。

2つ穴タイプは、温度差を利用して対流を作りだし、浴槽の中の水を循環させてお湯を沸かしているので、2つ穴タイプは浴槽の上のほうだけ熱くなりやすく、湯垢が溜まりやすいようです。

また、追い焚きの頻度が多く「浴槽が嫌なにおいがする」「湯垢が浮いている」といった変化があれば掃除のタイミングです。

風呂を沸かした際に以下の状況が発生したときは、すぐに配管の洗浄を行います。

1.薄茶色の湯垢が浮いている

2.お湯が白く濁っている

3.黒い汚れが出る

4.お湯から悪臭がする

5.風呂釜内の水に小バエが寄ってくる

6.お風呂に入るとかゆくなる

風呂は毎日のように使用するため、頻繁に掃除をしていても汚れは溜まっていきます。