中古車購入の際、2019年10月を境として、購入車を10年乗るとした場合のお得感が逆転することがある

 

現在、私は26歳で免許を取得して以来、46年ぶりに車を所持しない生活を、2024年4月の現時点で6か月間過ごしています。

その間、近くのカーシェアを利用しているのですが、やはりいつも空いているわけではなく、予め利用を見越して予約する不便さもあって、妻から早く次の車を決めるよう急かされています。

しかし、既に72歳、後車に乗れるのは10年であろうと考え、次の車に100万円以上をかける気にはなれなく、当然中古車を探すことになりました。

そのような理由から、安全性を第一優先にして価格の安い中古車をネットを検索して、次の中古車購入の最有力と考えたのが、スバル・インプレッサでした。

価格コムなどで検索すると、2018年製スバル・インプレッサ2.0Lの支払総額価格が89.3万円でした。

しかし、これくらい価格が高くなると、2020年製トヨタ・ヤリス・ハイブリッド1.5Lの中古車98.8万円と9.5万円の差しかありません。

10年乗るとして、一体どちらがお得になるか、改めて計算してみました。


2019年10月施行の自動車税制改正

ここで、キーポイントになるのは、2019年10月から施行された自動車税制の改正です。

2019年10月1日以降に新車新規登録をした車両は、新制度の税率が適用されますが、新車新規登録をした年月が2019年10月1日以前の車両は引き続き、引き下げ前の税率が適用されます。

例えば2024年に中古車を購入した場合でも、その車が初めて新車として登録された年度が2019年10月1日以前であれば、以前の税率が適用されます。

車をいつ買ったかではなく、その車がいつ新車登録されたかが基準となります。

(参考)【2022年最新】車の維持費・税金シミュレーション【計算ツール】 | Rioblog (riomeo.com)


2019年10月前後の車種お得度比較


2018年製スバル・インプレッサ2Lと2020年製トヨタ・ヤリスハイブリッド1.5Lの比較

トヨタ・ヤリスハイブリッド1.5Lの2020年製の中古車は、2019年10月以降の登録車から自動車税が引き下げられているので、自動車税が30,500円になります。

また、自動車重量税は、ヤリス ハイブリッドはエコカー減税対象車で車両重量が1050〜1170kgなので、車両重量税は1年あたり7500円になります。

従って、2020年製ヤリスハイブリッドの自動車税と自動車重量税の合計は、38,000円になります。

2018年製スバル・インプレッサ2.0Lの場合は、2019年前ですから、自動車税は39,500円、自動車重量税は24,600円ですから1年当たり12,300円となります。

従って、スバル・インプレッサの自動車税と自動車重量税の合計は、51,800円になります。

2020年製ヤリスハイブリッド1.5Lとスバル・インプレッサ2Lの差は1年当たり、13,800円になります。

10年乗るとすると138,000円もの差になります。

2020年製ヤリスハイブリッド1.5Lは、ハイブリッドであるため13年超過の重課対象になりませんが、スバル・インプレッサ2Lは重課対象となります。

2018年製であれば、すでに2024年時点で6年経過となるので、10年乗るとその内10-(13-6)=3年間は重課となります。

自動車税39,500円が45,400円へ5,900円引き上げとなりますので5,900円×3年=17,700円を余計に払う必要があります。

それだけではなく、自動車重量税も13年超過で重課となるので、24,600円が34,200円となり、9,600円、1年間当たり4,800円、2年車検毎に9,600円も引き上げられるので、8年目と10年目に2回車検を受けるとして9,600円×2回=19,200円を余計に払う必要があります。

合計すると、10年乗るとすると138,000円+17,700円+19,200円=174,900円も余計に支払うことになります。

2018年製スバル・インプレッサ2Lは、イニシャルコストでヤリス・ハイブリッド1.5Lより9.5万円安かったのですが、ヤリス・ハイブリッドの方が税金が安いために10年後、トータルコストは174,900円-95,000円=79,900円もヤリス・ハイブリッドが安くなり逆転する結果となりました。

逆に言うと、2018年製スバル・インプレッサ2Lを中古車で購入するなら、装備の差は無視するとして、さらに79,900円以上安く、893,000-79,900円=813,100円以下で購入しないと、2020年製トヨタ・ヤリスハイブリッドよりもお得感が無いと言えます。

実際には、スバル・インプレッサ2.0Lとヤリスハイブリッドの装備の差を比べると、スバル・インプレッサは4輪ディスクブレーキ、電動パーキングブレーキを装備しているのに対して、ヤリスハイブリッドは前輪のみディスクブレーキ、手動パーキングブレーキであるため、仕様的にはかなり差があります。

この差をどうとらえるかによってもお得感は異なってきます。


2018年製スバル・インプレッサ1.6Lと2020年製トヨタ・ヤリス1.5Lの比較

数日後に2018年製スバル・インプレッサ2Lは売却済となり、ネット上からデータが削除されてしまいました。

同じ2018年製で、RABが装備されていると思われるスバル・インプレッサは1.6Lにスペックダウンし支払総額価格が87.6万円となりました。

2020年製トヨタ・ヤリスは、私の勘違いがあって、ハイブリッドではなくただの1.5Lでしたので、改めて中古車価格は98.8万円として再計算してみました。

2018年スバル・インプレッサ1.6Lと2020年トヨタ・ヤリス1.5Lの価格差は87.6万円-98.8万円=11.2万円となります。

トヨタ・ヤリス1.5Lの2020年製の中古車は、自動車税が30,500円になります。

ヤリス はハイブリッドであれば、自動車重量税は、エコカー減税対象車で安くなりますが、ただの1.5Lは安くなりません、

車両重量が1.5トン以下なので、車両重量税は1年あたり12,300円となります。

ヤリス1.5Lの自動車税と自動車重量税の合計は、42,800円になります。

2018年製スバル・インプレッサ1.6Lの場合は、100CC排気量が大きいだけで税額がワンランク上がってしまい、2Lと同じとなります。

インプレッサの自動車税と自動車重量税の合計は、51,800円になります。

2020年製ヤリス1.5Lは、スバル・インプレッサ1.6Lよりも1年当たり、9,000円安くなりお得ですが、ヤリス・ハイブリッド1.5Lと比べたらお得度が4,800円下がりました。

スバル・インプレッサ1.6Lとヤリス1.5Lの差は、10年乗るとさらにお得度が増して90,000円の差になります。

また、ハイブリッド車の場合は13年超過の重課対象になりませんが、それ以外は重課となります。

ヤリス1.5L、スバル・インプレッサ1.6Lはいずれも重課対象となります。

2020年製ヤリス1.5Lは、2024年時点で4年経過ですので、10年乗ると13年までの1年間が重課となります。

2018年製スバル・インプレッサは、2024年時点で6年経過ですので、10年乗ると13年までの3年間が重課となります。

13年重課でヤリス1.5Lは自動車税が30,500円から35,000円へ4,500円引き上げなり4,500円×1年=4,500円が加算されます。

インプレッサ1.6Lは39,500円から45,400円へ5,900円引き上げとなり5,900円×3年=17,700円が加算されます。

従って、ヤリス1.5Lとインプレッサ1.6Lの13年重課の差は、17,700円-4,500円=13,200円です。

自動車税だけではなく、さらに自動車重量税も13年超過で重課となります。

自動車重量税は13年超えで、24,600円が34,200円に支払いが増えます。

その差9,600円、1年間当たり4,800円、2年車検毎に9,600円引き上げです。

インプレッサ1.6Lは8年目と10年目に2回車検を受けると9,600円×2回=19,200円の自動車重量税を余計に払います。

ヤリス1.5Lは10年目に1回車検を受けるとすると、9,600円×1回=9,600円の自動車重量税を余計に払うことになります。

ヤリス1.5Lとインプレッサ1.6Lの自動車重量税13年超過重課の差は、19,200円-9,600円=9,600円です。

2018年製スバル・インプレッサ1.6Lは、13年超え重課も含めて、合計すると、10年乗るとした場合に、90,000円+13,200円+9,600円=112,800円、をヤリス1.5Lよりも余計に支払うことになります。

2018年製スバル・インプレッサは、イニシャルコストでヤリスより11.2万円安かったのですが、ヤリスの方が税金が安いために10年後、112,000-112,800円=-800円となりトータルコストはほぼ均衡する結果となりました。

中古車の価格とは、実に絶妙なバランスで決められていることの左証となりました。



2018年製スバル・インプレッサ1.6Lと2018年製ニッサン・リーフの比較

それでは、いっそのこと、EVのニッサン・リーフにしたらどうかということで、計算してみました。

2018年製ニッサン・リーフの中古車価格は97.2万円でした。

インプレッサ1.6Lの87.6万円よりも9.6万円だけ価格が高くなっています

ニッサン・リーフの自動車税はEVのため、29,500円になります。

インプレッサ1.6Lと比べて、10年間で自動車税は(39,500円-29,500円)×10=100,000円も安くなります。

また重量税はニッサン・リーフの場合、1,520㎏になりますが、EVのため1年当たり10,000円となります。

従って10年間で重量税の差は(12,300円-10,000円)×10=23,000円だけ安くなります。

EVは13年越え重課が無いので、ニッサン・リーフの重課はゼロですが、インプレッサ1.6Lは8年目と10年目に2回車検を受けるとしたので、9,600円×2回=19,200円の自動車重量税を余計に払うことになります。

合計すると、100,000円+23,000円+19,200円=121,500円

2018年製スバル・インプレッサ1.6Lは、イニシャルコストでリーフより9.6万円安かったのですが、リーフの方が税金が安いために10年後、121,500-96,000=25,500円だけリーフの方が安くなり、トータルコストは逆転しますがその差は大きくはありません。