ぶら下がり健康法


先日、腰痛が出たため、整形外科で診察してもらったところ、レントゲン診断で加齢により椎間板が少し潰れていることが指摘され、症状には影響ないものの背骨が少し曲がっているとの説明を受けました。

ネットでぶら下がり健康法が良いとの記事を見かけたました。

我が家にはぶら下がる場所がないので、この1年間習慣化しているトレーニングジムで、効果のほどは別として、吊り輪にぶら下がる事を励行するようにしました。

ぶらさがり健康法(ぶらさがりけんこうほう)は健康法の一種です。

日本体育大学教授、塩谷宗雄らによって考案され、月刊誌『壮快 1976年4月号』(マイヘルス社)に掲載されたのが最初とされています。


方法

鉄棒や肋木などの体重を支えられる器具に1回につき1分程度を、仕事の内容に応じた頻度(事務系は1時間おき、重労働は30分おき)でぶらさがります。

実質的には重力の力のみで行った牽引療法です。

牽引療法より負荷が軽いため、それを高頻度の回数でカバーしています。


効果

曲がった背骨が矯正され、肩こり、腰痛、内臓の疾患などに効果があるとされています。

「ぶら下がり健康法は、姿勢の改善や腰痛の緩和に大きな効果があります。これらの運動は、背骨と筋肉の柔軟性を維持し、健康寿命を延ばすのに役立ちます。」- 国際医療福祉大学, Dr. 頴川 晋


腰痛予防

ぶら下がりによって腰回りの筋肉が伸び、柔軟になります。

これにより、同じ姿勢を長時間続けることや運動不足によって引き起こされる腰痛を予防することができます。

背骨は普段は体重によって「縮み」方向にばかり圧がかかっています。

しかしぶら下がることで、背骨に普段はすることのない上下の「伸び」の動きが生じます。

これによって背骨の柔軟性の回復が期待できます。

柔軟性が回復すれば、椎間板がつぶれるといった椎間板の変性も起こりにくくなり、腰痛の予防につながります。


肩こり、猫背の改善

ぶら下がると背骨だけでなく、筋肉を伸ばすこともできます。

なかでも姿勢矯正に重要な「広背筋」はひときわ大きく伸ばされます。

猫背の人はたいてい腕(肩)が内側に入っていますが、この原因の一つが、「広背筋の短縮」です。

しかしぶら下がることで、広背筋をはじめ、特に脇の下がよく伸び、猫背矯正の重要なアプローチとなります。

また肩甲骨まわりの筋肉もよく伸びるため、肩こりの予防改善も期待できます。

このようにして、背骨を伸ばし、猫背や巻き肩、ストレートネックなどの姿勢の問題を改善するのに役立ちます。


筋肥大や筋力向上

懸垂やディップス、レッグレイズなどの筋トレ運動を取り入れることで、上半身の筋肉を効率的に鍛えることができます。

これにより、筋肥大や筋力の向上が期待できます。

ぶら下がり健康器は、筋トレ機能の有無も重要な選択肢です。

懸垂だけでなく、ディップスやレッグレイズが可能な多機能型を選ぶことで、より幅広いトレーニングが可能になります。


ぶら下がり健康法のデメリット

ぶら下がりには多くの健康効果がありますが、いくつかのデメリットも認識しておく必要があります。

運動強度が高め

ぶら下がり健康法での運動は、特に懸垂やディップスなど、体重を支える必要があるため、運動強度が高くなります。

運動不足の人や初心者にとっては、特に最初は難しいと感じることがあります。

設置スペースの必要性

ぶら下がり健康器を設置するためには、十分なスペースが必要です。

部屋の広さや設置場所を考慮する必要があり、すべての住環境に適しているわけではありません。

安全性の確保

ぶら下がり箇所や器具の安定性及び耐久性に注意が必要です。

不安定な器具を使用すると、怪我のリスクが高まります。

器具購入時には信頼できるメーカーの製品を選び、定期的なメンテナンスも重要です。

ぶら下がり健康器を選ぶ際には、まず耐荷重と安定性を確認することが重要です。

自分の体重に耐えうる強度があるか、また使用時に揺れや不安定さがないかをチェックします。


足をつけてぶら下がっても効果あり

単にぶら下がるだけの簡単な健康法にみえますが、自分の体重が2本の腕にかかってくるため、実は体力的には非常にキツイ運動です。

そこでおすすめなのが、足を床につけてぶら下がる方法です。

立ったまま両手が楽に届く高さにバーを設定して、ひざを曲げる角度でぶら下がりの強度を調節します。

このようにするとつらさをほとんど感じずに続けられます。

全身ぶら下がるほどの強度はありませんが、背骨や筋肉のストレッチ効果は十分にあります。

ストレッチ

ぶら下がりながら少し動きを加えれば、ストレッチ効果がさらにアップします。

両脇のストレッチ

両足がついた状態で、両膝をそろえ、左右にひねります。ひねることで、腕から脇にかけて、さらに筋肉を伸ばすことができます。

脇~大腿部のストレッチ

両足がついた状態で、片足を斜め後ろに交差させるように伸ばします。

伸ばしたほうの骨盤を落とすようにすると、脇~大腿部が伸びます。

体の前面のストレッチ

両足がついた状態で、両足を後ろにし、体を反らすように伸ばします。

腕から脇、腹筋にかけての体の前面が伸びるほか、腰椎の伸展エクササイズにもなります。



本格筋トレ

懸垂(チンニング)


懸垂は、ぶらさがった状態から体を上の方に引き上げる自重トレーニングの1つです。

上半身を満遍なく鍛えることができ、筋トレ初心者からアスリートまで多くの方が行っています。


懸垂のやり方

1)肩幅より少し広めに幅を取り、バーにぶら下がる(足を後ろに組むことでバランスを取りやすくなる)

2)背中周りの筋肉を意識して、体を引き上げる(顎がバーの上辺りにくるまで)

3)ゆっくりと元の位置に戻す。10回〜15回×3セット


懸垂で鍛えられる筋肉

広背筋(背中周り)
三角筋(腕周り)
僧帽筋(肩周り)
上腕筋(腕周り)
大胸筋(胸周り
体幹(腹筋)


レッグレイズ


レッグ(足)をレイズ(上げる)という動きで腹筋、とくに下腹部に効果がある腹筋トレーニングです。

筋トレの設備には、肘の所にクッションが付いているものが多く、肘を傷めずトレーニングできます。

レッグレイズは、初心者でも取り組みやすく、腹筋を鍛えたい人におすすめです。


レッグレイズのやり方

1)両腕をしっかり置いて固定し、両足は下に自然にのばす

2)腰を意識し、両足をゆっくり上げていく

3)ゆっくりと両足を下ろして繰り返す。10〜15回×3セット


レッグレイズで鍛えられる筋肉

腹筋(下腹部)
大腿四頭筋(太もも)
体幹(腹筋)
腸腰筋(股関節周り)


ディップス


ディップスは、主に大胸筋や上腕三頭筋を鍛えられます。

男性は厚い胸板や引き締まった立派な肩、女性はバストアップや二の腕の引き締め効果が期待できます。

ディップスのやり方

1)平行棒に腕を立て、体を支える。その際、足はクロスさせ、少し上半身を前のめりにする

2)息を吐きながら、ひじが90度になるまでゆっくり体を下ろしていく

3)息を吸いながら、元の位置に戻す。10回〜15回×3セット


ディップスで鍛えられる筋肉

大胸筋(胸周り)
上腕三頭筋(肩周り)