缶スプレー塗装の失敗
これから、車バンパーの塗装をするのに際して、どのような失敗が考えられるのか調べてみました。
屋外スプレー塗装は、ゆず肌、サメ肌のような失敗が多いようです。
場所は河川敷にスペースがあれば上々とのことです。
風の強くない日を選べば換気もよく、人通りも少ないので塗装の場所としてお勧めのようです。
避けるべき日や時間は、雨が近づいている日や湿気の高い日です。
また風の強い日や虫の多い時期は塗装の乾燥中に不純物が塗面に付きやすくなります。
風力3m/s以上の予報があるときは中止すべきです。
夏の夕方は気温も落ち着きますが、虫が多いので塗装は避けるべきです。
気温が15度以下、28度以上になると乾燥する際に乾きが悪すぎたり、シンナーが早く飛びすぎてムラになるので避けるべきです。
年間では、5月〜6月上旬、9月下旬から10月まで塗装に適した季節となります。
塗装に適した気温は22度〜24度と解説している雑誌もあります。
ゆず肌
ゆず肌とはスプレー塗装した際に塗面が柑橘類のように凹凸になる状態です。
塗装面が凹凸になっているのでクリアーを吹いても凹凸が強調されて塗面は平らになりません。
ゆず肌の原因
- 缶の圧力不足
- 塗料の温度不足
- スプレー缶と塗面の距離が近すぎる塗面との適切な距離は20cm
- 必要以上の圧力でスプレーする
- 塗面に付着する前に塗料が乾燥してしまう
ゆず肌の原因は缶の圧力不足、必要以上の高い圧力でスプレーしたときにおこりますが、缶スプレーでは缶の圧力不足がほとんどです。
長年放置していた使いかけのスプレーを使ったり、気温の低い日に作業したりすると発生します。
しかし、外気温32度で塗装をしてしまったため、塗料が塗面に到達する前にシンナーが飛んでしまい、表面がブツブツになってしまうこともあります。
失敗を防ぐ対策
- 缶の圧力を上げる
- 距離感をつかむ
手のひらを大きく開いた小指と親指の長さが約20cmです。
ゆず肌の修復方法は削って再塗装が基本です。
修復はパッドに耐水ペーパーを取付て研磨してからもう一度塗装します。
1000番→1500番→2000番の順で研磨します。
再塗装は、塗装面との距離20cmを保ちながら最初は「バラ吹き」といって薄く吹き、乾き具合を見ながら塗料を重ねていきます。
重ね塗りをするときに間をあけずにスプレーすると、液垂れが発生しやすくなります。
夏は5分、冬は10分程度の時間をあけます。
クリアー塗装も同様に吹きます。
塗装が終わって10分経過したらクリアー塗装を開始します。
20cmの距離感でクリアを吹き付けていきます。
塗装と同様、吹き付けた後に乾いていく様子を見ていると、もう一往復スプレーするか判断できるようになります。
スプレーの往復回数を数えておくといつでもちょうどよい厚さの透き通った膜をつくることができます。
薄く塗ることで乾燥時間や、塗る回数を調整します。
中間チェックは、色が完了して十分に乾燥させた状態で行ないます。
この段階で「大きなゴミ」や「タレ」があればペーパーで修正します。
何もなければ、#400以上のペーパーでサッと毛羽立ちを取る程度でOKです。
サメ肌
サメ肌とは、塗面がサメ皮のおろし板のようにゴツゴツとした小さな凹凸になる状態です。ゆず肌よりも細かい凹凸になります。塗面がサメ皮のように固まっているので、ランダムサンダーで剥がすか耐水ペーパーで長い時間をかけて削ることになります。
サメ肌の原因
- 缶の圧力不足
- 溶剤が伸びない塗面で広がる前に固まるので凸凹が強まる
- 塗面の温度不足
白化
白化現象とはスプレーした際に塗面が白くぼやけてしまう現象のことです。白化の原因
- 梅雨のような多湿のときに発生する
- 塗膜の表面に空気中の水分が結露して白く濁る
- 特にクリアーを吹くときに見られる
午前は養生の時間に使い、午後3時以降に塗装すると良いです。
ラッカー塗装で白化が見られたのであれば、クリアーを吹かず乾燥させ、すべて耐水ペーパーで研磨していきます。
透明クリアーで白化が見られたのであれば、乾燥後、1500番→2000番の耐水ペーパーで薄く削っていきます。
量販店で販売されている塗料は主にラッカー系の缶ススプレーとなります。
解けているシンナーが蒸発し顔料が固まるタイプとなります。なのでシンナーで拭き取る事が可能です。
重ね塗りする時に空ける時間
スプレー缶で塗装する場合は、何度か塗り重ねをします。塗り重ねをする時は、時間を空けることが大切です。
1回目から2回目へすぐに塗料を吹き付けると、液垂れが発生しやすくなります。
夏は5分、冬は10分程度の時間を設けて、塗り重ねるようにします。
塗装完了後に乾燥させる時間
塗装完了後の乾燥時間は、仕上がり時のクオリティーを保つために重要です。7日から10日程度は乾燥が十分ではなく傷が付く可能性が高いため、洗車は避けるようにします。
すべて塗装が内側まで完全に乾くのには2週間の乾燥時間が必要となります。
また、塗装から1ヶ月~2ヶ月は、磨きやコーティングの施工も控えることがおすすめです。
コンパウンド
消えない傷は、無理に磨いてはいけません。
やりすぎると傷が悪化したり、クリア層を全て削り落としてしまったりするなどのリスクがあります。
コンパウンドは、目が細かい方からやってみて もっと荒い方が良かったら粗い方にしていくのが良いです。
効率が悪いようなら粗い方に換えて磨くのが失敗しない磨き方です。
コンパウンドの薬剤は乾燥に弱く、作業に時間がかかると固着することがあります。
無理に剥がそうとすると、傷を付けてしまうかもしれません。
固着したときは水を含ませた柔らかい布で拭き落としたり、同じ薬剤を上から塗布してスポンジで磨いたりすると落としやすいです。
作業は車庫の中や日陰、日が落ちてからなど直射日光が当たらない場所や時間帯に行います。
紫外線
紫外線は、車の塗装を劣化させる主な要因です。紫外線を防ぐ環境づくりが大切で、理想的なのは屋内駐車です。
酸性の物質
車の塗装にダメージを与えるのは、紫外線以外に酸性の物質も塗装を傷める要因となります。鳥のフンが付着している場合は、早めに取り除きます。
尿酸により、ボディを侵食してしまいます。
虫の死骸も酸性成分を含むため、除去することが大切です。
また、酸性雨と空気中の黄砂などが混ざることで、ボディのシミにつながります。
これらの対策としては、屋内駐車もしくはボディカバーがおすすめです。
汚れや水滴の除去
ボディの上に残った水滴をこまめに除去することで、イオンデポジットの定着やウォータースポットの発生を防げます。特に水道水を使用した洗車は、しっかりと水分を拭き取ることが大切です。
水道水にはカルキやマグネシウムが含まれているため、水滴を放置するとイオンデポジットとしてボディに残ってしまいます。