左肩の痛み

 左肩の痛みが毎朝シクシク痛み、午後にかけて痛みが緩和するものの、就寝する頃になると再び痛みを感じることを1週間以上も繰り返しています。

早目に病院で診てもらうのが、痛みから逃れる最良の方法ですが、原因としてどのようなことが考えられるのか調べてみました。


原因

  1. 腕を動かすと痛い → 肩関節や腱板の問題が多い
  2. 夜間痛・安静時痛 → 炎症性の肩疾患の可能性
  3. 胸の圧迫感や息切れを伴う → 循環器や呼吸器の関連痛も疑われる

左肩の痛みは、肩関節周囲炎や腱板損傷、心筋梗塞など、さまざまな原因によって引き起こされる可能性があります。


1.肩関節周囲炎

左肩を動かしたときに痛みがあるとき、肩関節周囲炎という病気の可能性があります。

一般的に「四十肩」や「五十肩」と呼ばれる状態で、肩の可動域が狭くなり、痛みが生じます。

肩周りの筋肉で炎症(上腕二頭筋腱炎、腱板炎)が起きてくるとこのような症状が現れます。

特に、肩を下にして寝ることができない場合が多いです。治療には、痛み止めやリハビリが推奨されます。


2.腱板損傷・腱板断裂

肩の筋肉が肉離れを起こすことが原因で、特に手を伸ばしたときや夜間にズキズキした痛みが特徴です。

腱板という、肩まわりのいくつかの筋肉が肉離れを起こすことを、腱板損傷といいます。筋肉が断裂までしている場合は腱板断裂といいます。


腱板断裂は、遠くに手を伸ばそうとしたときや、夜寝ている時の肩のズキズキした痛みが特徴です。

腱板断裂とは、本来上腕の骨と肩甲骨との間につながっているいくつかの腱が切れてしまう状態です。

肩の痛みもありますし、肩に力が入りづらい、腕も回しづらいといった症状が現れます。

重い物を持ち上げた直後や、転倒による外傷などがきっかけで発症しやすく、断裂があると特定の方向に腕を上げられなくなることもあります。

治療法は、どの程度痛みが続いているのか、断裂度合い(筋肉の状態)などによります。

完全に断裂している場合には、手術を要しますが、痛み止めやリハビリ治療を選択することもあります。

診断には超音波検査やMRI検査が必要なことが多いです。

治療方針は個々人の程度により異なるので、整形外科の医師と相談して決定することになります。


3.頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア・頚椎狭窄症(けいついきょうさくしょう)・胸郭出口症候群

肩の痛み」と思っていても、実は首の神経が関係しているケースがあります。

首の骨(頸椎)の間にあるクッションの役割をする椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで頸椎椎間板ヘルニアが発生します。

頚椎症や椎間板ヘルニアなどで神経が圧迫されると、左肩から腕にかけてのしびれや痛みが見られるのが特徴です。


頚椎狭窄症(けいついしょうさくしょう)とは、首の脊柱管が狭くなり、脊髄や神経根が圧迫される状態を指します。

主な原因には、加齢による椎間板の変性、骨棘の形成、靭帯の肥厚などがあります。

症状としては、手足のしびれや運動障害、歩行障害などが現れることがあります。

胸郭出口症候群は、鎖骨付近の神経や血管が圧迫されることで肩や腕に痛みやしびれが生じる疾患です。

特に腕を上げたり長時間同じ姿勢をとることで症状が悪化することがあります。


4.心筋梗塞・内臓疾患

左肩の痛みが心臓の問題に起因することもあります。

急に左肩が痛くなったとき、心筋梗塞や狭心症など心臓の病気が隠れていることもあります。

心筋梗塞や狭心症の典型的な症状は前胸部の重苦しい痛みです。

しかし、急な左肩の痛みや、歯・みぞおちなど心臓周辺の臓器の痛みは心臓の異常のサインとして現れてくることがあります。

日本循環器学会によると、狭心症や心筋梗塞の初期症状として肩や腕の痛みが出ることがあるため注意が必要です。

突発的な激しい痛み(激痛を伴う)、息苦しさや動悸、発熱や異常な疲労感などの症状を伴う場合は、自己判断せず早急に医療機関を受診することが重要です。

特に高血圧や糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)の既往がある場合は発症する可能性が高くなるため注意が必要です。

肩の痛みだけでなく、腕の傷みや胃のあたりに痛みが出る場合もあり、これを放散痛といいます。

狭心症、心筋梗塞は心臓を栄養している血管の血流が悪くなり、脂汗が出るような強い胸の痛みが出ることが典型的です。

胸の痛みを起こす病気は他にもさまざまありますが、放散痛を伴っている場合は、特にこれらの病気が疑わしくなります。

主な診療科は循環器内科です。

痛みが激しいときや階段を上って息が上がるときに症状が悪くなるような場合や、急激な痛みが現れた場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。

胆石症や膵臓がんといった消化器系の病気が左肩に痛みとして現れる場合もあります。

膵臓がんは、初期症状が出にくい病気ですが、進行すると左肩や背中に痛みを感じることがあります。黄疸や体重減少などの症状がみられる場合があります。

これらの疾患の多くは早期発見・早期治療が重要であるため、自己判断せずに医療機関を受診することが推奨されます。

逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して刺激を与えることで胸やけや喉の不快感を引き起こす病気ですが、左肩周辺にも痛みが波及することがあるため注意が必要です。

胆石症とは、胆のうに結石ができることで痛みを伴う疾患です。痛みは右肩に発生することが多いですが、左肩にも影響を及ぼすことがあります。

左側の肺炎になると、胸痛だけでなく左肩付近に痛みを感じることがあります。発熱や咳、息苦しさがある場合は、呼吸器内科を受診することが推奨されます。


5.その他の原因

帯状疱疹は、免疫力の低下によって発症しやすい病気で、ピリピリとした痛みや水ぶくれを伴う発疹が出ることが特徴です。肩や背中に症状が現れることもあるため、疑わしい場合は皮膚科を受診します。

左肩の痛みが長引いて取れないときは、首が原因かもしれません。

頚椎症という首の病気では、首の痛みだけでなく、肩や肩甲骨などに痛みが現れることがあります。

首や肩が痛くて、上を向けない、洗濯物を干せないなどの症状が特徴です。

頚椎症の場合、まずは安静にすることが症状を落ち着かせるためには重要です。

枕の高さを高めにするのも効果的で、低い枕を使用している人は、タオルを引くなどして高くすると良いです。

症状が強い場合は整形外科を受診し、痛み止めや注射で治療されることが多いです。

手術を要する場合もあります。

治療の初めから手術となる場合は多くなく、まずは整形外科で相談することが推奨されます。

ストレスや姿勢の悪さ、肩こりなども左肩の痛みを引き起こすことがあります。

ストレスにより、自律神経が乱れ、血流不全が起きることで頭痛や肩痛などをきたしてくる可能性があります。

また、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、肩の筋肉が硬くなることで起こるのが肩こりです。

血流が滞ることで痛みを感じ、頭痛や目の疲れを伴うこともあります。

慢性的な肩こりは、筋肉の緊張や血行不良が原因です。


セルフチェック

  1. ・左肩を下に向けて眠れない
  2. ・夜、肩の痛みで目が覚める
  3. ・痛みが1週間以上続いている
  4. ・左肩以外に歯・みぞおちが痛い
  5. ・左肩以外に首・肩甲骨がいたい
  6. ・肩が痛くて腕を背中にまわせない
  7. ・首を上に向けるのがきつい
  8. ・シャンプーが痛くてできない

一時的な肩の痛みは自宅で対処できることも多いですが、症状によっては早めに医療機関を受診すべきケースもあります。次のような症状がある場合は、放置せず専門の診察を受けることをおすすめします。

肩の痛みが2週間以上改善せず、むしろ悪化している場合は、炎症の慢性化や筋・腱の損傷が進んでいる可能性があります。湿布やストレッチで良くならない場合、理学療法や画像検査(MRI・レントゲン)による診断が必要です。

「肩が痛いだけでなく、腕がしびれる」「指先まで力が入りにくい」といった症状がある場合、神経の圧迫や障害の可能性が高くなります。特に、頚椎(首)の問題が隠れていることもあるため、整形外科や脳神経外科での評価が必要です。

「大きく息を吸うと左肩に鋭い痛みが走る」「運動中に胸や肩に圧迫感がある」といった症状があれば、内臓由来の関連痛を疑います。心筋梗塞、狭心症、肺の病気などが隠れていることもあるため、速やかに内科や循環器科の診察を受けましょう。


対処法

  • 痛み止めの使用

肩関節周囲炎や腱板損傷など、肩周りの筋肉が原因の場合は市販の痛み止めを飲んで疼痛がやわらぎます。

カロナールやロキソニンSなどがあります。

ロキソニンパップなどの貼り薬、アンメルツヨコヨコなどの塗り薬でも痛みは改善します。長時間の使用や、同じ場所に繰り返し貼るのは肌トラブルの原因になるので注意します。

ストレッチやマッサージは行っても構いませんが、痛みを我慢しながら無理には行わない方が良いです。

スポーツなども一度、整形外科で診断を受けてから再開するのが望ましいです。

痛みが出たらすぐに肩を冷やします。

数日から1週間たっている場合は温めるほうが効果的な事が多いです。

  • リハビリ

痛みを抑えながら、少しずつ肩を動かすことが推奨されます。無理をせず、徐々に可動域を広げていくことが重要です。

四十肩や五十肩では、あまり肩を休めすぎると「拘縮(こうしゅく)」といって、肩が固まってしまいますので、少しずつ動かしておくほうが後々の生活で困らないでしょう。

  • 医療機関の受診

 痛みが改善しない場合や急激な痛みがある場合は、整形外科や内科を受診することを検討します。

左肩の痛みは、さまざまな要因によって引き起こされるため、症状に応じた適切な対処が必要です。


ストレッチ

日常的に肩のストレッチを行うことで、筋肉の緊張を和らげ、血流を改善することができます。

特にデスクワークが多い方は、1時間に1回程度のストレッチを行うことが推奨されます。

  • 肩回し運動:両肩を大きく回し、前回し・後ろ回しを10回ずつ行う。
  • 首のストレッチ:ゆっくりと首を横に倒し、反対側の手で軽く押さえる。左右10秒ずつキープ。
  • 肩甲骨ストレッチ:両手を後ろで組み、肩甲骨を寄せるようにして10秒間キープ。

正しい姿勢

猫背や巻き肩といった不良姿勢は、肩まわりの筋肉に負担をかけ、慢性的な痛みの原因となります。

特にデスクワークが多い場合は、骨盤を立てた座り方・肩甲骨を軽く引く意識を日常的に持つことが大切です。

  • 背もたれに深く座り、腰にクッションを入れる
  • 1時間に1回は立ち上がり、肩を回す
  • 顎を引いて、頭が前に出ないようにする
  • スマホは目の高さに近づけて操作する
  • PCのモニターは目線と水平になる位置に設置
  • 肘は90度、肩がすくまない高さの机と椅子を選ぶ