葬儀

妻の母親が 逝去しました。

病院から養護施設へ移動後、わずか2週間で他界しました。

94歳であったため、死因は老衰ということになりましたが、発端は家の中で転倒して頭を打撲したことでした。

救急で入院して、脳内の出血は止まりましたが寝たきりとなり、容体は次第に悪化、治療が点滴のみとなったため、退院を促されて養護施設へ移動しました。


臨終

「臨終」とは、人が亡くなる間際の状態を指す言葉であり、死が近づいている状態を表します。

具体的には、心身が徐々に衰弱し、死に向けて移行していく過程全体を含みます。

語源としては、「臨」は「臨む」や「向かう」を意味し、「終」は「終わり」を表し、合わせて「終わりに臨む」という意味から、生命の終わりに直面する状態を指すようになりました。

看護師が24時間対応している養護施設であれば、看護師が医師に連絡し、危篤状態に陥ったことを確認し家族へ電話連絡します。

最終的には、医師が臨終を確認します。

医師が死亡と判定するには3つの条件があります。

・呼吸の不可逆(その状態になったら元に戻らないこと)停止=呼吸停止

・心臓の不可逆停止=心停止

・瞳孔拡散(対光反射の喪失=光をあてても瞳孔が小さくならない)

これらがすべて確認されると、医師から死亡したことと死亡日時の宣告が行われ、臨終となります。


死亡診断書

臨終後、数時間以内に、自宅や葬儀会場へ遺体を搬送しなければなりません。

遺体を動かすために、死亡を確認した医師に死亡診断書を作成してもらう必要があります。

死亡診断書は、臨終を確認した医師によって作成されます。

死亡診断書には、故人の氏名や生年月日の他、死亡した年月日、時刻、死因などが記載されています。

費用は一通につき3,000~10,000円です。

死亡届や火葬許可証、生命保険金や遺族年金の申請には原本を添付するので、少なくとも2通は作成してもらうとよいです。


エンゼルケア

エンゼルケアは亡くなった施設で看護師等が主となって、故人に行う一連の処置を言います。

故人が身を清めてあの世へ旅立つための準備としてだけでなく、遺体の腐敗防止や感染症対策の意味もあります。

エンゼルケアの主な内容は以下の通りです。

・点滴やドレーンなど医療器具の抜去、取り外し

・注射痕や気管切開などの創傷部位を防水性のドレッシング材(傷口を覆う素材)でふさいだり縫合したりする

・排泄物の処理や口腔の消毒(感染症や臭い対策のため)

・遺体をアルコールやお湯で拭いて清める(清拭)

故人が安らかに成仏できるよう、生前の苦しみや悩みを洗い流すための儀式である湯灌(ゆかん)を行い、故人の遺体を清めます。かつては遺族が行っていましたが、現代では葬儀社や専門業者が代行することがほとんどです。(湯灌は近年ではあまり行われません)

・髪を整え、髭や産毛を剃る

・スキンケアやファンデーションで肌を整え、必要に応じて薄化粧を施す

・やつれが目立つ場合には含み綿で頬をふっくらと見せる

・死に装束に着替えさせる

・エンゼルメイク

このうち、身づくろいや化粧は特にエンゼルメイクと呼ばれています。できるだけ故人を生前の姿に近づけるのが目的です。

湯灌以前は看護師が行い、湯灌以降は葬儀社の専門の死化粧師が行うこともあります。


葬儀の手配

看護師によりエンゼルケアを受けた後、遺族が葬儀会社へ連絡します。

葬儀会社が決まっていない場合には、病院や施設から紹介を受けることも可能です。

遺体の搬送は、葬儀を行う予定の葬儀会社に連絡すれば、24時間対応してもらえます。

葬儀費用に含まれているので、搬送の費用はかからないことがほとんどです。

家族であれば自家用車で遺体を搬送することは違法ではありません。

しかし、搬送中に体液の漏出や遺体の損傷の可能性があるため、おすすめできません。

自宅または葬儀場へ遺体を安置後、葬儀会社の担当者と葬儀の日時や葬儀の形式、プランなどを打ち合わせます。

遺言書・エンディングノート

葬儀の準備と並行して、故人が遺言書やエンディングノートを残していないか確認します。

遺言書は故人が遺産をどのように分割するかという指示や、遺族への思いを文面にしたもので、以下の3種類があります。

・自筆証書遺言

・公正証書遺言

・秘密証書遺言

最も多いのは便箋などの白い紙に自筆で書いて封をした自筆証書遺言ですが、もし見つけたら開封せずに保管します。

作成された時点で公的文書となっている公正証書遺言とは異なり、自筆証書遺言や秘密証書遺言(公証役場で作成するが、公証人も内容を知らないもの)は、家庭裁判所で相続人全員の立ち合いのもと開封される「検認」を受けなければ効力が発揮されないからです。

また、勝手に開封したり、開封した上で改ざんしたりすると罰金や相続権の喪失といったペナルティの対象にもなります。

エンディングノート

エンディングノートの内容はさまざまですが、葬儀や納骨、供養をどうしてほしいか、亡くなったら誰に連絡してほしいかなどを記す人が多いので、残されていたら確認しておくとよいです。

希望の葬儀方法があれば、できるだけ故人の遺志に添うように、葬儀会社と相談します。

また、献体登録をしていたら、すぐに登録大学や篤志家団体に連絡します。


葬儀の流れ

葬儀は臨終を迎えた家族を送り出し、最後の別れとなる大切な儀式です。

お通夜

通夜は2日間にわたって行われる葬儀の1日目の夜を指します。

もともとは親族や故人と親しかった人が「夜通し遺体のそばについて見守る」ことでした。

地方によっては親族が交代で一晩付き添う風習が残っているところもあります。

仮眠室を用意している葬儀会場もあるので、付き添いを希望する場合は利用するとよいです。

近年では僧侶の読経・弔問客の焼香を行う2時間程度の儀式を通夜と呼ぶことがほとんどです。

終了後には、通夜・葬儀を手伝ってくれる人や弔問客に食事や飲み物を振る舞います(通夜振る舞い)。

ねぎらいや訪れてくれたお礼だけでなく、故人の思い出を語り合ったり、故人との最後の食事の時間を持ってもらったりする意味もあります。

一般的な通夜式では閉式後に通夜振る舞いと呼ばれる会食の場が設けられますが、家族葬の場合は省かれることもあります。

多くの葬儀会場は21時から22時にはいったん閉場・消灯となるため、付き添う人以外は帰宅して、翌日に備えます。

家族葬の場合、必ずしも通夜式を行う必要はありません。

一般葬においては、通夜式は遺族や親族が故人との時間を過ごすための儀式、葬儀・告別式は一般の弔問客に参列してもらうための儀式として意味合いが分かれています。

参列者の大半が身内である家族葬では、基本的に一般の参列者が訪れることはないため、通夜式と葬儀・告別式を分ける必要がないのです。

そのため、家族葬の形式として通夜を行わない一日葬を選んでも問題ありません。


葬儀・告別式

葬儀(告別式)は通夜の翌日に行うことがほとんどです。

開始時間は火葬場の予約時間から逆算して決まるため、午後から始まることもあります。

近年では葬儀の進行や参列者の案内、遺族の焼香や挨拶の段取りなども葬儀会社が請け負ってくれるので、遺族は慌てたり準備に奔走したりすることも少なくなってきています。

一般的な仏教式の葬儀(告別式)の内容は以下の通りです。・開式の言葉(葬儀会社の担当者)

・僧侶(葬儀の場合、導師と呼ぶことが多い)の入場

・一同合掌

・読経

・参列者の代表による弔辞やお別れの言葉(省略されることもある)

・焼香(喪主から家族→親族→勤務先の上司やごく親しい友人→一般会葬者の順に行う)

・焼香中に司会から弔電の紹介が行われる

・一同合掌

・僧侶(導師)退場

・お別れの儀(喪主・家族から順に棺に祭壇の花を入れ、最後のお別れをする)

・喪主挨拶

・閉会の言葉

・出棺

出棺の際は、喪主が遺影を持ち、家族がその後に続きます。

喪主は棺を乗せた車へ同乗し、その他の家族や火葬場へ同行する親族・友人はマイクロバスや自家用車に分乗します。

車が出発したら(クラクションを鳴らして合図することもある)、火葬場へ同行しない参列者は合掌して見送ります。

故人が献体登録をしている場合は、登録大学へ搬送されるため、火葬は行われません。故人とはこの時点でお別れとなります。初七日法要や精進落としを通常通り行うかどうかは遺族の意向によります。


火葬

火葬場に到着後行われるのが、本当に最後のお別れとなる「納めの儀」です。

火葬炉の前で棺の蓋を外して焼香をしたり、線香を入れたりします。

僧侶が同行した場合は、読経が行われることもあります。

火葬炉に棺が入れられ、扉が閉じたら、点火スイッチを押すのは喪主の役目です。

家族が手を添えて、一緒に押してもよいでしょう。

その他の人は火葬炉の周囲で合掌して見守ります。

火葬が済むまでには1時間ほどかかるため、その間は待合室で待機します。


収骨(骨上げ)

火葬が終わったら火葬炉の前や収骨室で収骨(骨上げ)を行います。

喪主から家族、親族、友人と故人と縁の深い順に、火葬場の担当者の指示に従って拾っていきます。

足の骨から順番に、頭に向かって骨壺に収めていき、最後に喪主が喉仏の骨を入れて終了です。

残ったお骨は火葬場が供養してくれます。

骨上げの方法は、2人一組で木と竹の箸を1本ずつ使ってお骨を拾ったり、すべての骨を収骨したりなど、地方によってさまざまです。

骨壺は箱に納め、白い布で包みます。箱には火葬したという証明印の押された埋葬許可証が入っていることが多いので必ず確認し、紛失しないようにします。

初七日法要

収骨した骨壺は喪主が、遺影や位牌は家族が持って、葬儀会場や自宅など、初七日法要を行う場所に戻ります。

初七日はもともと、故人が亡くなって7日目(関西地方では亡くなった前日を1日と数えるため6日目)に行う、最初の追善法要でした。

三途の川に故人が到着し、激流・急流・緩流のどの部分を渡るか決まる日とされていたため、供養することで故人が緩流を渡れるように願ったのです。

近年は繰り上げ初七日法要が一般的

しかし、近年は葬儀から7日後に再び親族が集まるのが難しいことから、お骨が戻ってきたその日の内に初七日の法要を行う「繰り上げ初七日法要」が一般的です。

初七日法要はお骨と位牌、遺影を祭壇に飾って行います。喪主の挨拶から始まり、僧侶(導師)の入場・読経、焼香という、葬儀と同じような流れです。

法要が終わったら精進落としとして会食を行うか、参列者に持ち帰り用の弁当を渡して散会となります。