「キャッチャー・イン・ザ・ライ」J.D.サリンジャー、村上春樹訳 を読んで

「The Catcher in the Rye」J.D.Salinger キャッチャー・イン・ザ・ライ、J.D.サリンジャー、村上春樹訳 を読み終えました。

「ライ麦畑でつかまえて」という邦題で知られた古い小説ですが、私もかなり昔に読んだような気がしていましたが、今実際に読んでみると、内容に全く記憶がありません。

1951年7月16日にリトル・ブラウン社から出版され、日本語訳版の題名としてはこの最も広く知られたものの他にも、『ライ麦畑の捕手』(ライむぎばたけのほしゅ)、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『危険な年齢』(きけんなねんれい)などがあるようです。

主人公は、17歳の高校生ホールデン・コールフィールドです。

高校を退学処分となった彼が、去年のクリスマス前にニューヨークの街を歩き回った時の出来事を語る物語です。

口語的なくだけた文体で、読者の「君」に対して、社会の鬱憤を語りながら進行していく話になっています。

ホールデンは全寮制のペンシー校を英語以外の4科目で落第点をとりそれでも勉学に身が入れなかったため退学処分を受けます。


彼は全校あげて応援に繰出すシーズン最後のフットボールの試合を観戦せずに、歴史教師のスペンサー先生の家へ別れの挨拶をするために行きます。

ところが、先生の授業で彼が何一つ学ぼうとしなかったと言われ、挙句に先生が彼を落第にした記述問題の答案を先生に目の前で読み上げられます。

先生は、彼がペンシー以前に退学した、ウートン・スクールやエレクトン・ヒルズでも同じであったのではないかと彼に問います。

彼は先生に、エレクトン・ヒルズはそこがインチキな連中の巣窟だったから自ら辞めたと説明しました。

先生に別れを告げて、その家から寮に戻り、隣室のにきびだらけの男アックリーに話しかけられます。

また、デートで身だしなみを整えるため戻ってきたルームメイトのストラドレイターに、英語の宿題の作文を代筆するのを頼まれました。

ストラドレイターのデートの相手は、ジェーン・ギャラハーという、ホールデンが昨年の夏に良くデートをしたりチェスをした女の子でした。

自身の容貌に自信過剰で名うての女たらしであるストラドレイターにホールデンはやきもきします。

ホールデンは、ストラドレイターに頼まれた作文の代筆のために、白血病で死んだ弟のアリーの、多くの詩が書かれた野球ミットについて書きました。

しかし、デートから帰ってきたストラドレイターに、作文の内容が頼んでいた家や部屋のことではないと言って文句を付けられます。

ジェーン・ギャラハーのデートがどうなったのか気をもんでいたホールデンは、作文を破り捨てストラドレイターと喧嘩になりました。

ホールデンはストラドレイターを低能と罵ったため、殴られて鼻血を出し倒れます。

気が滅入ったホールデンは、今夜今すぐに、そのまま荷物をまとめて寮を出て行くことを決めました。


ホールデンはニューヨークへ電車で向かいます。

車中でペンシーの同級生であるモロウの母親と乗り合わせました。

モローは寮では名うてのろくでなしで悪質なやつしたが、母親はとても感じの良い人でした。

ホールデンは寮の用務員の偽名を語り、口からでまかせを並べ立て、
モローを褒めちぎりました。

そして、ホールデン自身は、脳に腫瘍ができていると嘘をつきます。


ニューヨークに着いてからエドモント・ホテルにチェックインしました。

ホテルの中にあるナイトクラブで、シアトルから来た3人の娘たちとダンスをしますが、ホールデンが話しかけても上の空で、彼女らはいつもホールの中を見回して映画スターを探していました。

3人の娘たちは、明日は朝早く
ラジオ・シティー・ミュージック・ホールの初回公園を見る予定があるからと言って、そそくさとホテルへ帰って行きました。

次にホールデンは、満員盛況のナイトクラブ・アーニーズでピアノ演奏を聴きますが。俗悪で興醒めな演奏に熱烈な拍手をする連中にうんざりします。

そこで兄のDBが一時期デートをしていた女の子が、海軍士官の男と連れ立ってやって来るのに出くわします。

ホールデンは彼女に席に来るように誘われますが、人に会う約束があると言って店を出ました。

凍り付くような寒さの中、41ブロックの長い道のりを、ペンシーで手袋を盗まれたことと自分の臆病さを考えながらホテルに戻ってきます。

うらぶれた気持ちになって、心が沈み込んでいたホールデンに、エレベーター係の男に娼婦を買わないかと持ちかけます。

落ち込んでいたホールデンが、5ドルで了承すると、サニーという女の子が部屋にやってきます。

やはり気分が沈み込んで、会話だけして彼女に5ドルを渡すと、彼女は10ドルだと言いますが、拒否すると冷ややかな態度で帰っていきます。

しばらくするとエレベーター係が部屋にやってきて、さらに5ドル払えと言いがかりを付けられ、抵抗して罵倒したホールデンは腹を殴られて床に倒れます。



翌朝10時頃、ホールデンは女友達のサリーに電話をかけて、2時頃にビルモア・ホテルの時計の下で待ち合わせをします。

小さなサンドイッチ・バーで朝食をとっていると、感じのいい微笑みを浮かべた二人の尼さんと隣り合いました。

10ドルを寄付して、『ロミオとジュリエット』について話しました。

彼の一風変わった感想のためその話題は避けられ学校のことを聞かれた後、尼さんが席を立って店を出る時に、誤って尼さんの顔に煙草の煙を吹きかけてしまい、必死に謝る羽目となってしまいました。

その後、正午くらいの時間に、ブロードウェイの方へ歩いて行く道で、夫婦と6歳くらいの男の子を見かけました。

夫婦は話をしながら歩いていて、子供には全く注意を払っていません。

その子は、脇を車が高速で通り過ぎる、危なっかしい歩道の縁に沿って歩きながら、かわいらしい声で「ライ麦畑をやってくる誰かさんを、誰かさんが捕まえたら(If a body catch a body coming through the rye.)」という唄を歌い続けていました。

ホールデンは、それを聴いていると、気持ちが晴れてきてもうそれほど落ち込んでいませんでした。

サリーと待ち合わせの場所へ向かう間に、妹のフィービーのこと、博物館のこと、かつてのルームメートのこと、等々延々と考え続けました。

ブロードウェイで、ホールデンはサリーと、ラント夫妻が出演する芝居を劇場で観ます。

ところが、1幕目が終った幕間、ロビーで一服している間に、サリーがどこかのパーティーで会ったことのある名門スクールに通っている男をみつけてしまい、ホールデンは2人の会話のやり取りに辟易します。

その後、ホールデンとサリーはタクシーで、ラジオ・シティーに行って、アイススケートをします。

2人のスケートは下手でほうほうの体で、リンクの見えるバーに入って、ホールデンはサリーと話しをしますが、彼の話は、一つの話題から別の話題へ唐突に飛ぶので彼女には何を話しているのか、よくわかりません。

ホールデンはサリーに向かって、突然、今から二人でマサチューセッツやボーモントへ行って暮らし、持っているお金が無くなったら、何か仕事を見つけて、小川が流れているような土地に住み、結婚して気ままな生活を送ろうと言い出します。


サリーは、ホールデンにそんなのはおとぎ話だと言って、もっと現実的になるよう話をします。

ホールデンはサリーに向かって「君のようなスカスカ女にはうんざりだ」と言ってしまい、彼女をひどく憤慨させます。

いくら謝っても許してくれないサリーと別れたホールデンは、映画を観たり、かつて高校で指導係だったカール・ルースと会って会話しますが、ますます気分は落ち込んでいき、一度家に帰って妹のフィービーに会うことにします。

家に帰ると両親は出かけており、フィービーの部屋で妹と再会します。

放校になったことを知ると、フィービーは、ホールデンは「世の中のことすべてが気に入らない」のだと言います。

ホールデンはそれを聞いて落ち込み、考えた末、自分がなりたいのは、ライ麦畑で遊んでいる子どもたちが、崖から落ちそうになったときに捕まえてあげる、ライ麦畑のキャッチャーのようなものだと言います。

その後、両親が家に帰ってきたため、ホールデンは見つからないようにこっそり抜け出し、かつての高校の恩師であるアントリーニ先生の家を訪れます。

アントリーニ先生はホールデンに助言を与えますが、ホールデンは強烈な眠気に襲われます。

カウチで眠りにつきますが、しばらくして目が覚めると、アントリーニ先生がホールデンの頭を撫でていました。

驚いたホールデンはすぐに身支度して、そのまま家を飛び出し、駅で夜を明かします。

翌朝、街を歩きながらホールデンは、森のそばに小屋を建て、聾唖者のふりをして、一人で世間から身を隠して暮らそうと考えます。

別れを告げるためにフィービーにもう一度会いますが、フィービーは自分もホールデンに付いていくと言います。

ホールデンは拒否しますが、フィービーも譲らず、険悪な雰囲気のまま動物園に入ります。

そこの回転木馬に乗ったフィービーを降りだした雨の中で眺めたとき、ホールデンは強い幸福感を覚えます。